
蘭亭序は真筆ではなく、原本の敷き写しです。けど、書のお手本中のお手本として崇めたてまつられまれています。私たちが現実にお手本にするのは、印刷物なので、コピーのコピーなんですが。。。
中国で、よくコピー製品が問題になりますよね。その原因は、文化大革命による知的財産の破壊というイベントによるところが大きいのでしょうが、こんなところにもその下敷きがあるようにも思います。中国人にとって、知的財産権は作者その人のものではなく、もともとみんなのもの"Public domain"なのかもしれません。展示リストによると、蘭亭序の英訳はCopy of"Preface of the Lanting Gathering"で、しっかりコピーであることが明示されています。
ところで、現物と印刷物の違いですが、紙の質感が全然違いました。字形や字の配置はいつも見てる通りでしたが、紙の質感や墨の乗り具合かすれ具合は、さすがに現代の印刷技術をもってしても再現が難しいのでしょう。現物!すごい!って感じでした。
欧陽詢の真筆といわれるものもありました。これは、見慣れた拓本と比べるとやや??で、特に横画の終筆が、あれ〜という感じでした。
全体の印象としては、それぞれの作品がとにかく個性的であるということです。お習字で習うお手本とはかなりかけ離れていました。自由にやっていいんだな、と、改めて思う次第でした。